とんでも腐敵☆パートナー
「確かに、体に悪いものは今食べてるな。腹痛になりそうだから、やっぱりやめとくか……」
 
「ああんまたそんな萌えゼリフをっ。このポテト全部あたしが食べるから、是非お家まで送ってくださいな~~」
 
「ったく調子がいいなお前は。分かったよ。仕事が終わる頃に迎えに来てやる」
 
 ぶすっと横目に睨みつけながらの優しいお言葉。
 
 うへー。本気で送ってくれるんだ!
 
 どういう風の吹き回しだろ? で、焚きつけた当の拝島さんは妙ににこにこ顔で見守ってるし。
 
 それから食事を終えた二人は、まだ調べ物があるそうで、大学に戻って行った。
 
 時刻は夜。二人が帰ってすぐに店内は忙しくなった。学生達でカウンター前も埋め尽くされる。
 
 この忙しさは深夜まで続くんだそうだけど、あたしはその途中でバイト交代。深夜までバイトはさすがに体にキツイ。勉強もあるし。
 
 というわけで、夜9時となって本日の業務は終了。交代のバイト青年に担当レジを渡して、職員用のロッカーで制服を脱いだ。
 
 ちなみにここの制服は帽子から服までオレンジで統一されている。ブラウスは白だけどボタンとか袖口のラインとかがオレンジ。下はもちろんオレンジのタイトスカート。なかなか可愛い。
 
 さくっと着替え、アップにしてた髪も下ろして外に出る。入り口の看板の横に朽木さんが立っていた。
 
「朽木さーん」
 
「遅いぞ。15分オーバーだ」
 
 細かいなヲイ。
 
 自転車を押して歩き出した朽木さんの横に並ぶ。
 
「ねね、どうだった? あたしの働く姿。ちゃんとやってたでしょ。見直した?」
 
「全然なってなかったぞ。どちらかといえば見下げ果てた」
 
 むぎゅっ。ふ、ふーんだ。
 
 あたしの真価は朽木さんの見てないところで発揮されてたのだ!
 
 と、言わせておこう。店長に。
 
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