とんでも腐敵☆パートナー
「ある時はイケメンハンター、またある時はファーストフードの店員さん、しかしてその実体は――――愛の腐女子、キューティーグリコさ!」
 
 ビシィィィ――ッッ!!
 
 
「…………」
「…………」
 
 ……………………。
 
 
 しぃ~~~~~~ん…………
 
 
 いかん……寒すぎた。ポーズまでつけるんじゃなかった。高々と上げた手が寂しい。
 
「え……っと。その、キューティー……グリコさん? が、僕に何の用なんですか?」
 
 いい人だっ! このヒトいい人だっ!!
 
 今、好感度が1上がったよ!
 
「えっと、あたしがアナタを止めた理由は分かるよね? ナイフなんて持っちゃって穏やかじゃないし」
 
 言うと、愛人くんは顔色を失って目を逸らした。
 
「さっきまでアナタが付け狙ってた彼は、アナタの大切な人の想い人だってのも分かってるよね?」
 
 その言葉を聞いた途端、驚いた顔が再びあたしと目を合わせた。
 
「キミ……僕と神薙先輩のコト知ってるの……?」
 
 ん?
 
 一瞬目が点になる。
 
 神薙先輩? 誰だソレ。
 
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