とんでも腐敵☆パートナー
「……そうまでして僕を遠ざけたいんですか。僕の気持ちなんてどうだっていいんですね」
 
「ああ、そうだ」
 
「あの人と幸せになるために、僕が邪魔になったんですね」
 
 
「……そうだ」
 
 
「――――っ。見くびらないくださいっ!!」
 
 
 ダンッ!
 
 
 びっくりした。何が起こったのかと思った。
 
 あの、大人しかった章くんが、壁に拳を叩きつけてる。感情が恐ろしいくらいに高ぶってる。
 
 スイッチ入るとここまで変わるとは。
 
 朽木さんもこの変貌には心底驚いたようで、言葉も失って硬直している。
 
「僕が分からないとでも思ってるんですか!? わざとそんな言い方してっ! 突き放そうとしてっ! それで僕が離れていくと思ってるんですかっ!?」
 
 ダンッ!
 
「先輩が僕のためを思ってきつく言ってることくらい、分かってるんです! 苦しんで、僕を傷付けたって、後悔して、それで出した結論だってことくらい、分かってるんですっ!」
 
「章……」
 
「でもそんなの……僕に悪いなんて思うのは、お門違いですよっ!」
 
「っ!」
 
 強い感情を露にした眼がキッと朽木さんを睨みつけた。
 
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