とんでも腐敵☆パートナー
「すぐ席が空いて良かったね」
「ああ、ラッキーだった」
移動が遅めの俺と拝島は、食堂に入る時は大抵満席状態なのでいつも席取りに苦労する。
一番端の二席に拝島と向かい合わせで座りながら頷いた。
と、まったく同じタイミングで拝島の隣に誰かが腰を下ろし、顔を上げた俺はその人物を視界に捉えてぎょっとした。
「お前はっ!」
「栗子ちゃん!」
拝島も気付いて驚きの声をあげる。
「どうも~お邪魔しまっす♪」
昨日の悪夢の再来か。
女の皮を被った悪魔、桑名栗子がそこにやたらにこにこ顔で座っていたのだ。
「随分早いお出ましだな」
予想していたとはいえ、早すぎる登場に少々焦ったのも事実だった。
表情も苦々しげなものになってしまった己の未熟さに軽く失望する。
「善は急げ、果報は寝て待て、思い立ったら即実行のグリコですから!」
「違う! 真ん中のは180度意味が違う!」
「あんまり的確なツッコミくれると悶えちゃいますよ」
「頼むからそのまま悶絶死してくれないか」
俺とグリコの間で見えない火花が散った。
「早速遊びに来たの? 栗子ちゃん」
拝島。そいつに優しく話しかけるんじゃない。そいつは悪魔よりも性質の悪い化け物なんだぞ。
そう言ってやりたい欲求をぐっと堪え、俺は憮然とした顔でグリコを睨んだ。
「はい、ちょっと見学と味見に来ました。他の大学の学食のメニューって気になりますよね」
「あ~確かに。気になるよね」
グリコは俺の視線をものともせず拝島と会話を始めた。
俺は面白い筈がなく、盆の上に載った野菜炒め定食をがつがつ口に運ぶ。
「ここの唐揚げ美味しいですねー」
「麻婆豆腐も結構いけるよ」
くそっ。会話が弾んでいる。
「ああ、ラッキーだった」
移動が遅めの俺と拝島は、食堂に入る時は大抵満席状態なのでいつも席取りに苦労する。
一番端の二席に拝島と向かい合わせで座りながら頷いた。
と、まったく同じタイミングで拝島の隣に誰かが腰を下ろし、顔を上げた俺はその人物を視界に捉えてぎょっとした。
「お前はっ!」
「栗子ちゃん!」
拝島も気付いて驚きの声をあげる。
「どうも~お邪魔しまっす♪」
昨日の悪夢の再来か。
女の皮を被った悪魔、桑名栗子がそこにやたらにこにこ顔で座っていたのだ。
「随分早いお出ましだな」
予想していたとはいえ、早すぎる登場に少々焦ったのも事実だった。
表情も苦々しげなものになってしまった己の未熟さに軽く失望する。
「善は急げ、果報は寝て待て、思い立ったら即実行のグリコですから!」
「違う! 真ん中のは180度意味が違う!」
「あんまり的確なツッコミくれると悶えちゃいますよ」
「頼むからそのまま悶絶死してくれないか」
俺とグリコの間で見えない火花が散った。
「早速遊びに来たの? 栗子ちゃん」
拝島。そいつに優しく話しかけるんじゃない。そいつは悪魔よりも性質の悪い化け物なんだぞ。
そう言ってやりたい欲求をぐっと堪え、俺は憮然とした顔でグリコを睨んだ。
「はい、ちょっと見学と味見に来ました。他の大学の学食のメニューって気になりますよね」
「あ~確かに。気になるよね」
グリコは俺の視線をものともせず拝島と会話を始めた。
俺は面白い筈がなく、盆の上に載った野菜炒め定食をがつがつ口に運ぶ。
「ここの唐揚げ美味しいですねー」
「麻婆豆腐も結構いけるよ」
くそっ。会話が弾んでいる。