とんでも腐敵☆パートナー

3-3. 夏休みの宿題は最後まで残して忘れるタイプ

<<<< 栗子side >>>> 
 
「海ぃ~~?」
「なんであたし達が」
 
「だって、高地さんて人に、可愛い子連れてきてねって言われたんだもん! お願い!」
 
 昨日の今日で、約束したドライブに誘う女の子を早速口説きにかかったあたし。
 
 といっても心当たりは二人しかいないわけで。
 
 あたしは昼休み、いつものカフェで昼食がてら、祥子と真昼を拝み倒すかの如く、両手を合わせて頭を下げた。
 
 だけど大方の予想通り、
 
「パス。興味ない」
「グリコに誘われるほど男に不自由してないわよ」
 
 つれないお返事。
 
 さすがあたしの大親友。その手厚い友情には感激のあまり涙がちょちょぎれる。
 
 やっぱりこの二つの要塞を攻略するのは難易度高すぎるかぁ~。
 
 友達甲斐なんて言葉を使ったところで手厳しい反論と説教が返ってくるだけなのは目に見えてるし。
 
 本当に、惚れちまいそうだよアンタら。
 
「ぞくぞくするようなお答えどうもゴチソウサマ。二人の友情はしっかり心に刻まれたわ……」
 
 フフ、ともの寂しい笑みを浮かべながら呟くあたしの視線は遠いお空に飛んでいた。
 
 うう……他に誰を誘おう。こないだ合コンに行ったげたから寺尾さん?
 
 だけどヘタな人誘うと、あのイケメン二人に参っちゃう可能性があるからなぁ……。
 
 それでまかりまちがって拝島さんとデキちゃった日には、朽木さんに末代まで祟られそうだ。
 
 あたしがうーんうーんと頭を抱えてると、
 
「……まぁ、どうしてもってんなら行ってあげなくもない」
 
 突然、祥子が返事を覆してきた。
 
「えっ!? ホント!?」
 
 あたしはそりゃもうビックリおったまげて目を皿のようにして訊き返した。
 
 だって、祥子が自ら折れるなんてっ!
 
 すると真昼も頬杖を突きながら、
 
「そうねぇ……グリコの意中のカレがどんな人か見たい気もするし、行ってみようかな」
 
 なんて言ってくれたのだ!
 
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