とんでも腐敵☆パートナー
 祥子と真昼は氷点下まで落とした視線であたしを見つめた。
 
 それからおもむろに顔を見合わせると、すっと席を立ち上がり、
 
「さて、お昼休みは終わりね」
「あ、あたし売店寄ってかなきゃ。レポート用紙買うんだった」
 
「しょうこぉぉぉ! まひるぅぅぅ!!」
 
「知っての通り、友達甲斐なんて持ち合わせてないから」
 
「ああっ。そんな意地悪なセリフ超萌えだけど今は好みの問題は置いとく! 祥子様っ、お願いしますっ! 土下座でもなんでもしますから!」
 
「他人に手伝ってもらわなきゃ取れないような単位は諦めることね。もう一年頑張りな」
 
「そ、そんなぁ~……真昼……真昼は友達を見捨てたりしないよね?」
 
「あたし、今日明日デートだからグリコ。悪いけどムリ」
 
「友情より男を取るのっ!?」
「当たり前でしょ」
 
 前言撤回。
 
 あたしの親友共は、やはり友達甲斐のない奴らだった。
 
 あえなく返り討ち状態のあたし。
 ぎゃふんとテーブルに頭を落とす。
 
 
 残念ながら、祥子と真昼は、簡単に他人を甘やかすような性質ではない。
 
 それはよく知ってるし、例外はないというのも経験上身に染みてよく分かってる。
 
 あたしはそんな二人だからこそ好きなのだし、尊敬もしてるのだ。
 
 
 今回ばかりは泣きそうに心が痛いけど。
 
< 63 / 285 >

この作品をシェア

pagetop