とんでも腐敵☆パートナー
「前期テストの課題を今の今まで忘れてただぁ~~?」
 
「あい……まことにお恥ずかしい限りです」
 
「それでこの英文記事か……って、なんだこの量は」
 
「でしょーっ!? 滅茶苦茶な量でしょコレ!? あの教授は鬼よオニ!」
 
「だからってお前に同情する気にはならんがな」
 
「うぅ……確かにその通りでございます」
 
 あたしはしょんぼりうなだれた。
 
 朽木さんは俯いて見るからに不機嫌そう。さっきから何度もため息をついている。
 
「自分でやんないといけないことだってのは分かってる。でも今回だけは……お願い! これ出さないと単位落としちゃうの! それに、あたしがコレやり忘れたの、朽木さんのせいでもあるんだよ!」
 
「俺のせい? なんでだ」
 
 じろりと睨まれる。
 
「だってずっと朽木さんの追っかけしてたんだもん。いよっ! 罪だね色男っ!」
 
「悪いが全然嬉しくない」
 
 さらに深々と呆れられた。
 
 だよねー。カクンと首を落とす。
 
「うぅ………………どうしてもダメ?」
 
 分かってる。悪いのはあたし。
 勝手に朽木さん追っかけて、勝手に舞い上がって勝手に課題あるの忘れてた。
 
「駄目と言ったら脅すつもりなんだろ」
 
「うんまぁそうだけど……」
 
 でも嘘だし。
 いやここは心を鬼にして。
 でも自分の責任だし。あうあうあうあう。
 
「手伝ってやるよ」
 
「あうあうあう……えっ!?」
 
 いつのまにか呻き声を口に出してたあたしはびっくりして顔を上げた。
 
「本当にっ!? 手伝ってくれるのっ!?」
 
「これぐらいの量なら一晩あればなんとかなるだろ。今回だけ特別だ」
 
 マジデスカ!
 
< 68 / 285 >

この作品をシェア

pagetop