とんでも腐敵☆パートナー
「一晩でできるのこれ!?」
 
「当たり前だ。俺を誰だと思ってる」
 
 出た! 俺様なセリフ!
 
「やっぱ朽木さんて王子様キャラ……いや、なんてゆーか生徒会長?」
 
「確かに高校時代は生徒会長もやってたな」
 
 ぶっ。あたしは思わず吹き出した。
 
「朽木さんが生徒会長! あ、あはっ。あははははははっ! なにソレはまりすぎ!」
 
 想像すると笑いが止まらない。
 
 制服はきっとブレザーにネクタイだ。間違いない。
 鬼畜生徒会長……実在したのかっ!
 
 
「何が可笑しい」
 
 ムッとする朽木さん。
 やばい。笑い過ぎてお腹痛い。
 
「だ、だってそのまんま……ひっ。ひっ。ね、ねぇ、これから生徒会長って呼んでもいい?」
 
「口を閉じないとつまみ出すぞ」
 
 あたしは慌てて居住まいを正した。
 
「すみません、よろしくお願いします」
 
 そうだ、うけてる場合じゃなかった。
 さっさとこの課題を終わらせねば。
 
 朽木さんは既に課題の資料を手に取って目を通し始めてる。雑誌一冊分は余裕であるプリントをパラパラパラと捲り、
 
「お前はどれだけ自力でできそうだ?」
 
 目線はプリントに乗せたまま訊いてきた。
 
「んと、一晩でこれの1/10くらいはできるかな」
 
「じゃあ死ぬ気でその倍こなせ」
 
 そう言うと朽木さんはプリントを4対1程に分け、少ない方をあたしに手渡した。
 
 あたしには一晩じゃとてもムリ! な量だけど、朽木さんはこれの4倍。マジで? あんたホントに日本人?
 
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