とんでも腐敵☆パートナー
 朽木さんは奥の机にあるPCを立ち上げ、なにやら周辺機器をいじったりしてる。あたしはしばらくその背中をじっと見つめてた。
 
 
 後ろから見てもホントに背が高い。
 
 
 広い肩幅。
 
 ゆったりめのTシャツから、少し肩が覗いてる。
 
 うなじからその肩にかけてのライン。
 男の色気っていうのかな。漂ってる。
 
 うーん。触ってみたい。でも触ったら怒られるよね、やっぱ。って考えてることがまるっきり痴女じゃんあたし。まー今更だけど。
 
 なんだかまた頬が熱くなってきた。
 
 朽木さんのフェロモンを振り払うように頭を振る。
 
 いかんいかん、と自分を叱咤。
 
 
 今は課題に集中!
 
 
 でも、背中を見てるとすぐにまた見惚れてしまってあ~もう妄想モードから抜け出せねぇーっ! と頭を掻き毟る。
 
 うぅ……だってホントにカッコイイんだもん。
 
 カッコイイ上に頭もいいし。
 
 本当にいるとは思わなかった。こんな人。
 
 この人がゲイじゃなかったら、こんな風に部屋に入れてもらえなかったんだろうな、なんてぼんやり考える。
 
 
 なんとなく。
 
 この人が……ゲイで良かった。
 
 
 うん。ゲイであって良かった。
 
 ありがとう。出会いの神様。
 
 
 
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