とんでも腐敵☆パートナー
「可愛い水着じゃん。似合ってるよ、栗子ちゃん」
 
 瞬間、グリコの動きが止まる。
 
 目を丸くして拝島を凝視し、時間が止まったかのように硬直する。
 
 そういえば、俺は今パーカーを羽織ってるが、拝島は上半身裸だ。
 
 グリコの顔がみるみる朱に染まっていく。
 
 ……やはりこうなったか。
 
 俺は無言で踵を返し、荷物の場所に戻っていった。
 やたらバッグが大きかったのは、もちろんこのためのタオルを詰め込んできたからである。
 
「え? あれ? どうしたの栗子ちゃん……」
 
 心配した拝島が声をかける。
 その直後。
 
 
 予想通り、白い砂浜は、血の海と化したのだった。
 
 
 
 
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