リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『ほのぼの』・1
わたしはハンカチを取り出し、彼の顔の汗を拭いた。

「ごっゴメン! 最近、ちょっと受験ストレスで…。でもわたし、あなたのこと好きだから!」

「なっ!」

彼がぎょっとして、目を見開いた。

「別れるとか言わないでね!」

「それはコッチのセリフだ!」

彼はいきなり立ち上がった。

でもすぐに、その表情を曇らせる。

「…不安にさせて、悪いと思ってる」

「うん…」

「でも、もうちょっとの辛抱、してくれるか?」

「もうちょっとって?」

きょとんとしていると、彼はバツが悪そうに向こうを見る。

夕日に染まる街を。
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