キミに触れたくて。
どうやら、元輝先輩も人見知りのようだ。
横目でチラチラと私の方を見てくる。
「どこの中学?」
いきなりの質問。
「え…東中です。」
「まじで?!仲間じゃーん。俺、隣の春中だったんだ。」
そう言うと、やっと正面を向いてくれた。
「こいつら、お坊ちゃんだから、俺嫌いなんだ。」
そっと私に近づいて、ほかの3人の方を指指す。
甘い香りにドキッとした。
この高校の半分は、そのお金持ちの子が、ほぼエスカレーター式のように、高校に入ってくる。
私自身も、正直その人達が苦手だった。
先輩がいろいろ道具の説明をしてくれた。
「七瀬さん…こんなんでわかったかな?まぁ、何でも聞いてよ!」
「あ、はい。ありがとうございます。」
緊張でドキドキが止まらない。
甘い香りと、綺麗な顔立ち、お洒落な服。
私は、先輩に恋をした。