キミに触れたくて。
ある日、久しぶりに亮佑の家に遊びに行った。
亮佑はライブDVDをつけたまま、私のプリクラ帳を見ていた。
「これ欲しい!」
そう亮佑が指を差す先を見ると、去年の夏、中学の親友とライブに行った時のプリクラだった。
「別にいいけど…何でこれが欲しいの?」
「なんか杏っぽくないってゆうか…古川さんに似てて、可愛い。」
古川…ゆかりのことだ。
ゆかりとは趣味も合う。
今は亮佑と同じクラスで、ゆかりはものすごくモテる子だった。
私は気分が悪くなり、プリクラをあげることなく、亮佑の家から出て行った。