キミに触れたくて。


次の日、たまたまトイレでゆかりに会った。


「杏ちゃん、最近岡田とどうなの?」


私は正直に話した。


「なんか…あいつ、本当に私のこと好きなのかわかんない。」


「まぁ、杏ちゃんにはさ、正直合わないよ。もっといい人いると思うんだけどなぁ…」


「実はねぇ…」




そこに、もう一人友達が入ってきた。

夏美だ。


「杏、どうしたの?岡田とケンカ?」



「いやぁ…別にケンカはしてないんだけどね。私、今めっちゃ憧れてる先輩いるんだよね。一緒に絵描いてる先輩なんだけど、めっちゃかっこいいの!」


ゆかりはその話に食い付いてきたが、夏美は


「そっかぁ…」


と、一言言うと、引きつった顔で目をそらした。




後にその理由がわかった。


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