キミに触れたくて。
昨日の亮佑が言った言葉が引っ掛かって、私は気分が落ちていた。
学校の自販機の前で、ボーッとジュースを眺めていると、後ろからいきなり話し掛けられた。
「おはよ。」
びっくりして振り返って見ると、元輝先輩だった。
そして、勝手にココアのボタンを押されてしまった。
その出てきたココアを私に渡して、
「元気ないの?ま、ココアでも飲みながら、今日も絵描こうよ。」
そう言って、笑ってくれた。
最初は怖くて鋭かった目も、段々優しく見えてきた。
そして、甘い香りに誘われるかのように、先輩と一緒に美術室へ向かった。