キミに触れたくて。


「先輩の彼女なのかなぁ…」


麻里に向かって呟いた。



「彼女いるか聞いてないの?」


「うん、聞いてない。」


「私もお姉ちゃんに聞いてあげるよ。」


「ありがとう。」



あまり人と群れない先輩が、たった一人の女性と楽しそうに話しているのが信じられなかった。





その日、久しぶりに亮佑と話した。


「杏、今度ディズニーランドでも行かない?」


亮佑から誘ってくるなんて意外だった。


「うん、いいよ。いつ行くの?」


「冬休み入ったらにしよっか。本当はクリスマスがいいけどね。」




ディズニーランドかぁ…。

デートでディズニーランドに行くのは憧れだった。

少しだけ、今日の出来事が頭から離れた。


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