キミに触れたくて。


その答え方に不安がつのる。


「秘密にしなくても…」


私は少し残念そうに言う。


「秘密が多い方が、興味わくでしょ?」


先輩は笑った。


「じゃー、七瀬さんは?」

「私はいますけど…あまりうまくいってなくて。もう別れちゃおうかなって。」

私は、少しばかり嘘をついた。

どうしても先輩に気に入られたかったから。


「そっかぁ…やっぱりいるんだね。」


あまりたいした反応ではなかった。




「どこのバス停?俺はここからだし、傘使っていいよ。じゃー気を付けてね!女の子なんだから。」


そう言って、手を振ると行ってしまった。



不思議な人だ。


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