キミに触れたくて。
次の日朝、先輩に傘を返した。
教室に戻ると、麻里に呼ばれた。
「杏〜!」
麻里の方を見ると、私のクラスではない女の子達が数名いた。
そのうちの1人が、私の方へいそいそとやってきた。
「初めまして!七瀬さんだよね?って私のことはわかんないか…」
正直、顔は見たことあるが、名前までは知らなかった。
「私、4組の沙弥って言います!さっちって呼んで。てかいきなりだけど、友達になって!」
私はいきなりで、状況が理解できなかった。
唖然とする私に、一枚の紙を渡すと、すぐに帰っていった。
その紙にはアドレスが書いてあった。
「何だったの?」
麻里が不思議そうに近づいてきた。
「わかんない…。とりあえず、メールしてみるわ。」