キミに触れたくて。
寒い冬の体育館。
ジャージに着替えると、私の大嫌いな体育の授業だ。
別に運動が苦手なわけではない。
ただ、この寒さが嫌いだった。
ランニングをしながら、梨華と話していた。
「杏、最近どうよ?」
「え?梨華こそ…どうなの?」
「この前杏と岡田君が別れ話してた日に、実は、私も彼氏と別れたんだよね。」
梨華は色白で綺麗な子だった。
校内よりは、他校からの人気が強かった。
そんな梨華が付き合ってたのは、隣の工業高校の生徒。
別れた原因は、彼氏の浮気だったそうだ。
「杏、誰かいい人いない〜?」
「梨華の周りの方が、良い男いるでしょ。」
(そーいえば…)
亮佑と別れてから、私はアドレスを変えた。
その時、中学時代に付き合ってた元彼からメールがきたのだ。
『今度遊ぼうよ。』