キミに触れたくて。
大輔が私の耳元で小さく話した。
「由香さ…隣に男いるじゃん。実はあれ、由香の友達の彼氏なんだよ。俺達が別れた原因でもあるんだけどさ…。」
どうやら、由香は親友の彼氏をとろうとしているらしい。
彼女は、そんなことをするような子ではなかった。
本当に純粋で、おとなしい子だったからだ。
大輔と由香が通っている高校では、かなり有名らしい。
由香が悪女だと言うことが…。
バスを降りて大輔と別れると、私は由香に話しかけた。
「彼氏?」
そう言うと、気まずそうな顔をして、何も言わずに帰ってしまった。
どうやら噂は本当のようだ。