キミに触れたくて。



先輩に会えない日がずっと続き、私は学校にくる楽しさがなくなっていた。



「杏、最近元気ないよ?」


そうやって話しかけてくれたのは、梨華だった。


「先輩としばらく会えないからさぁ…」


そういうと、梨華は携帯を出して


「杏に紹介したい子いるんだけど、メールだけでもしてくれない?」


と、私に一通のメールを送った。


そこにはアドレスと番号が書いてあった。


「女の子紹介してくれって頼まれちゃってさ。暇潰し程度でいいから、相手してやってくれない?」




私はしょうがなく返事をした。


相手は1つ年下の子。

名前はカッチャン。

みんなからそう呼ばれているらしい。

見た目はいかにもチャラチャラしていて、私の苦手なタイプだった。



その日から、私はその子とメールをするようになった。


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