キミに触れたくて。
すると、バスケの練習をしていた。
チャラチャラしているイメージしか私にはなかったが、びっくりする程うまかった。
その光景を眺めていると、梨華が寄ってきた。
「あいつね、本当に運動神経がすごいんだよね。何でもできちゃうの。」
確かに、スポーツをしている姿はかっこよかった。
体は小柄だが、顔は整っていて、私のタイプではないが、お洒落だった。
少しだけ、ほんの少しだけ、心が騒ついた。
バレンタインデー当日。
先輩に渡すのは明日だが、今日は宇佐美君とカッチャンに渡す日である。
宇佐美君のクラスに向かおうとしたら、たまたま宇佐美君が廊下に出てきた。
今がチャンスと思いチョコを渡すと、本当に喜んでくれた。
周りにいた男子に自慢している所を見たら、急に恥ずかしくなってしまった。
そしていよいよカッチャンだ。