キミに触れたくて。
私には好きな人がいた。
同じクラスの秋本君。
色白で背がすらっと高く
真面目で優秀。
眼鏡の奥の瞳が、とても綺麗な人だった。
学級委員でもあったので、クラスのみんなからも信頼されていた。
そんな秋本君とは、同じクラスになってから、たまにメールをするくらい。
私は、『秋ちゃん』と呼んでいた。
秋ちゃんには今彼女がいなかったので、さりげなくアピールはしていたつもりだった。
でも、秋ちゃんは…はっきり言って、鈍感な人だった。
『好きな人いるんだ。』
って言っても
『そーなんだ。頑張ってね!』
って、優しい言葉をかけてくれるだけ。
そんな鈍い秋ちゃんは、本当に憎めない。