アナタとの距離
『今日も良かったよ。じゃ、花梨ちゃんまた指名するからね。』
今日は7人を相手にした。どの人も皆中年オヤジばっかり。。。
『花梨ちゃん。かわいいねぇ。』
『花梨ちゃん。キレイだよ。。』
花梨ちゃん
花梨ちゃん。
カリンちゃん。。。
カリンちゃんって誰。。
時々、やっている最中にフト彩乃に戻ってしまうことがある。。
客観的に花梨とオヤジの行為を見てしまうことがある。。
なんて汚いんだろう。。
『花梨ちゃん。今日は明日の為に上がって良いよ。明日は土曜日だから、学校終わったら昼から出てきてね。』
「はい。わかりました。」
私は毎日のように15才から、こうやって働いている。。受験シーズン真っ只中。
家は元々会社を経営していた。本当に小さな会社だったんだけど、私は何不自由なくそだった。一人っ子だけに甘やかされて育ったほどだ。
私が、アイツらに捕まるまではね。
すごく優しかった母、父。。。
二人とも私を捨てた。。
親も、自由も身体までも奪われた私が哀れに見えたのか、ここのお店の店長が、私が自分で稼いだお金プラス店長の気持ちということで、いくらかお金をプラスしてくれている。。
私が高校に通えるようにとね。。
『まぁ、上にバレたら大変だけど、上手く言っておくよ。高校は花梨ちゃんにとって、唯一、花梨って奴から解放されるとこだからさ。』
私が無理やりここに連れてこられたときに、一番最初に『大丈夫?』と優しく声をかけてくれたのは最初で最後、この人しかいない。
明日も頑張ろう。。