苦しいほど君がスキ。
入学式
桜咲く今日、待ちに待った高校の入学式。


待ちに待ち過ぎて…
入学式の日あたしは見事に寝坊した。




『莉菜ぁ〜〜!
早くしなさいよぉ〜!理央君も玲央君も待ってるのよぉ〜』



言われなくても、分かってる。

理央と玲央は、お隣りさんの家。

あたしの部屋の窓を開ければ二人の部屋が丸見え。


二人があたしを起こしてくれなかったら…
未だに夢の中だと思う。





『髪がきちんと結べないよぉ〜〜』



不器用なあたしは、髪すらまともに結べない。




どうするか、迷ったあたしはクシとゴムを持ち階段を駆け降りた。





バタバタと階段を駆け降りるあたしの姿を下から平然として見る二人。





『莉菜っ!女の子なんだから少し静かに降りて来れないのっ!』



カンカンと怒る母親を無視してあたしは、二人を見た。





『理央っ!髪結んでっ!
玲央っ!ネクタイ結んでっ!』







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