苦しいほど君がスキ。

『えぇ〜と、相澤は……』

『お前、馬鹿か?』

『なんで?』


はぁ〜と溜息を付きながら頭を抱える理央。


『お前は『あ』から始まるんだから1番上を見ればあるだろ!』



そっかぁ〜と言いながら喜ぶあたし。

幼稚園や小学生は、生年月日で出席番号が変わる。

でも中学、高校は苗字の『あかさたな…』の順で決まる。

なのにも関わらず解らなかったあたしは、やっぱり大馬鹿者なのかもしれない。





『莉菜ぁ〜〜!
やっぱり俺ら運命だよぉ〜!』




甲高い声をあげながらあたしに抱き着く玲央。


『なんで?』


すると玲央は、満面の笑みで


『俺達同じクラスだよぉ〜〜』


『ほ、本当に?』


『うん!でも、お邪魔ムシも居るけど…』


玲央が言うお邪魔ムシは、きっと理央の事だと思う。


でも、あえてその事には触れなかった。



だって、あたしは幼い頃から理央が好き。
《告白》とか考えた時期があった。

でも、フラれたら。とか考えつつ言えなかった。それ以来この幼なじみ関係は一行線のまま。



でも最近、焦ることがある。




今日学校に来てからチラホラ聞こえる声。


『あの人達カッコイイ〜』

『隣の人彼女かなぁ〜』




理央や、玲央に対する視線。
中学の時も、ファンクラブなど出来るほどの人気だった。




理央に彼女が出来ること。





それだけは、死んでも阻止したい。









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