赤と黄色と緑と【季節短編】






廊下は病室よりも一段と寒かった。





すれ違った看護師の人はニコッと笑い、「メリークリスマス」と俺に言っていく。




そんな看護師さんに俺はただニコッと笑い返すことしかできなかった。





正直クリスマスなんてものに興味がなかったのだ。



サンタが子供にプレゼントを渡す。

ただそれだけのことにしか俺は考えてなかった。





――――どうせ俺の一番ほしいものは誰もくれない。





俺は顔を背けた。
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