大嫌いでも大好きだから

となりのひと


「はぁ…」

わたしは、
重い気持ちのまま教室に入った。


「紫音…」

水稀が不安そうに、
わたしを覗きこんだ。


水稀のことは、
梓と同じくらい好きだと思ってる。

だからいつしか、
嫉妬の気持ちも消えた。



水稀と梓はお似合いだよ。

二人が幸せなら、
それでいい。



でも、
ときどきでいいから…。

梓に笑ってほしいんだ。

わたしのためだけに。
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