大嫌いでも大好きだから
幸いなことに、
水稀はわたしの好きなひとを知らない。


否。
言いたくない。



誰も知らなくていいんだ。
こんな恋心。




カタン…。

スクール鞄を机に置いて、
わたしはゆっくりと教科書を取り出した。
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