大嫌いでも大好きだから

「しーちゃん…」

水稀がいなくなると、
桃ちゃんはわたしの名前を呼んだ。


「いいの?」

「うん…」

二人が幸せなら、
それでいい。

だから平気だよ。



桃ちゃんは、
もうそれ以上何も言わない。

それが彼女の優しさ。


「早く梓以外の好きな人を見つけるから…」


精一杯のわたしの誓い。
早く梓を、忘れたい。





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