大嫌いでも大好きだから
ふしぎなひと
それから数日後。
特に進展もなく、
変わりのない日常であった。
まだわたしは現実を受け入れることが出来ないままで、
溜め息ばかりの毎日。
そんなある日のことだった。
「じゃあ保健室行ってくるね」
そう言ってわたしは愉快に教室を出た。
向かう先は保健室。
委員会が保健委員であるわたしは、
保健室によく入り浸っていた。
養護の智美先生とも仲が良いせいか、保健室は憩いの場所。
お陽様の光がよく当たる日溜まりが優しい。
その空間だけゆったりと時間が流れてる保健室が、
わたしは大好きなんだ。
そして今日も、
癒しを求めて保健室に向かっていた。