大嫌いでも大好きだから
「今日数学の小テストだよね」
「げ。あたし何も勉強してないよ」
「そっかぁー」
そんな他愛のない会話をしながら、
一緒に教室に向かう。
わたしと水稀は同じクラスなんだ。
水稀とは中学に入ってからの仲。
けれど、
すぐ打ち解けることが出来て、
今ではこんなに仲がいい。
「いつになくこの階段キツイわねー」
階段を登りながら、
水稀はため息を漏らした。
それにつられて、
わたしもためらいがちに笑う。
確かにこの階段は足が疲れるよ…。
そう思っていると、
ふと上から声が聞こえた。
「菅原じゃん。おはよ」