上司なダーリン
次の日も坂本さんはたくちんにベッタリだった。
「松木課長、明日設計事務所に行くんですよね?良かったら私が届けてきますよ」
「ありがとう。でも大丈夫」
「何か手伝いしましょうか?」
「うーん…じゃこれコピーお願い」
「はい!分かりました」
「松木課長、お茶ついできました」
「あ、悪いね」

………………………
なんじゃこりゃ〜
坂本さんの猛アタックは凄かった。
お昼休み…私は坂本さんとお弁当をつっついていた。
「松木課長何かそっけないのよねぇ」
坂本さんが口を開いた。私はすかさず尋ねた
「坂本さんって松木課長の事好きなんですか?」
「嫌いじゃないよ。でもどうせ付き合うなら若い人がいいかな。私の攻撃が通用するのか試してみただけ。惨敗だけどね…。他当たるか…」
「そうですか…」
「えっ?何で?もしかして課長の事気になってたりする?」
「まさか!私とは年が離れすぎてて恋愛には結びつきません」
何だか心が痛かった。でも坂本さんの気持ち聞いただけでも安心した。
その夜、たくちんから電話がかかってきた。
「もしもし?」
「瀬菜ちんお疲れ様。今日の坂本見た?何か引いたよ」
「たくちんの事落とそうとおもってたらしいけど惨敗だって言ってた」
「あはは…何だそれ。あいつ会社の人間片っ端から食っていくからなぁ…おぉ怖い」
「そうなの?」
「俺は瀬菜に食われたい」
「食べるのは男の方でしょ!」
「じゃあ今度食べてもいい?」
「何バカな事言ってるの!」
急に恥ずかしくなってきた。いつか私もたくちんと結ばれる日が来るのかなぁ…
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