上司なダーリン
松木課長はいつも私に仕事を頼んでくれた。何度失敗しても怒る事なく笑って接してくれた。会社を辞めようか真剣になやんでいた私に仕事を与えてくれミスしてもそれでも代わりの人に頼む事はなかった。おかげで私は少しずつ成長していった。
失敗しても間に合わなくても私に仕事を依頼してくれる松木課長が人間として、上司として好きだった。勿論、恋愛感情は抜きで…
そんなある日
「この書類作成してくれる?」
渡された書類の右端に小さな付箋紙が付いていた。それにはこう書かれてあった。【今度ご飯食べに行こう】。ど、ど、どうしよう。下心とかあるのかなぁ…断ったら会社行きづらいし。。。松木課長は人気者だった。優しくて面倒見が良く仕事も出来る、まさに絵に書いたような上司だった。まさか下心とは…私と15歳も離れている大人だし。
書類の作成が終わり松木課長のもとへ届けに席を立った。
「有難う。」
それから小さな声で
「付箋紙見た?」
と尋ねてきた。
「はい。お食事ですよね。大丈夫です」
私はお誘いに乗る事にした。まさか15歳も離れた恋愛対象外の上司と恋に落ちる事になろうとは夢にも思わずに…
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