愛した方を知らない、

sakura-1





「あ、今日そういえば入学式だねー」



昼下がりの屋上で、焼きソバパンを頬張りながら
優衣がふと思いついたかのように口にした。



「ん、今日だっけ?」
「今日じゃなかったような気がすんのは俺だけ?」




優衣の言葉に、銀時(ぎんじ)が先に答え
同じようにメロンパンを口いっぱいに頬張った
咲夜(さくや)が続ける。


「いやいやー、2人とも、自分の高校の入学式ぐらい
覚えておきましょうよ」


ケラケラと笑いながら二人の前で軽く手を振るのが
私。(ちなみに、柚羅ね?)




「あー、柚羅に言われればそんな気がしてきたー」
「って!おい!銀!どういう意味じゃー!」
「そのまんまの意味だよー?」


ニヤニヤと笑いながら優衣のほうを見ながら言葉を紡ぐ銀時。
優衣はそれにかチンと来たらしく残っていた焼きソバパンを
一気に頬張り銀時を睨みつける。
銀時はベエ、と舌を出して更に優衣を挑発する。



うん、何時もの光景だな。



等とほのぼの思っていると、急に咲夜が


「あ、後輩入ってくるんじゃん!」
と嬉しそうに漏らす。




咲夜は、サッカー部に入っているし
後輩が入ってくるのはうれしいだろうなあ…。


銀時は帰宅部。=後輩に全く興味が無い。

優衣と私は吹奏楽部に所属している。




(今年から、先輩かあ…。2年生だもんなあ)





< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

空 色 メ ロ デ ィ ー 、
瑞葵/著

総文字数/1,935

恋愛(その他)3ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop