君が見る世界、僕の見た世界

First Story

地味な若桜琉偉<ﾜｶｻﾙｲ>。



それが私に貼られたﾚｯﾃﾙの一つ。

長い黒髪を2つに結い、黒縁眼鏡。

教師達からもみんなからも｢優等生で地味な若桜｣と呼ばれているのはよく知っていること。







｢若桜さん！｣

｢えっ？｣


話しかけてきたのは隣の席の山口さん。


｢今日のLiar Love<ﾗｲｱｰ･ﾗﾌﾞ>のﾗｲｳﾞ行く!?｣


"Liar Love"

意味は"嘘吐きの愛"



山口さんの話では今ﾊﾞﾝﾄﾞﾏﾝの中で知らない人はいないほどの人気高校生ﾊﾞﾝﾄﾞ。


｢えっと…、今日は…｣

｢そっかぁー。でも1回一緒に行こうね!!｣


ひらひらと手を振って帰って行く山口さんを見送り、自分も席を立つ。




｢一度、家に帰らないと…｣







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