君が見る世界、僕の見た世界






事件はその次のライブで起こった。


「よろしく」


「こちらこそ。けど、えらく変わるんだな」



JOKERとLiar Loveが揃うのあの男が騒いで以来だ。


「琉偉はこっちが素だもん♪」


ひょこっと現れたのは芙巳花。

今日もご機嫌なようだ。


「そうかもなー。意外に普通だし」


「本当は人見知りが激しくって、口数少ないからクールに見えるだけで可愛いもの大好きなんだよー」


「芙巳花!」


「ごめんって。そいじゃ、楽屋に行ってきまーす」


ひらひらと手を振って去っていく芙巳花を見送る。


「ごめん」


「いや、大丈夫。で、今日は琉偉が先だっけ?」


「そうだよ。間に2組くらいあったはず」


「なら、ゆっくり見えるか」


なんて言い合って笑う。

ほのぼのした空気が広がる。




でも、それはあわてた足音によって掻き消された。



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