君が見る世界、僕の見た世界
「そうか。なら、俺の予備をやる。取りに行く時間もないからな。こっちで張りなおせ」
「ありがとう!」
「あ、俺らと順番入れ替えてください!」
「MCに言って来い。琉偉は行くぞ」
「「はい!」」
いそいでチューナーなどを掻き集める。
「待ってくださいよ、カズヤさん!」
「冬夜?」
「今助けたら俺等的に意味がないじゃないですか!!」
俺…等?
…まさか!?
「悪いが俺等は琉偉の味方だよ。それに、楽器に手を出すなんてギタリストとして最低だ。お前はギターする資格ねぇよ。」
立ち尽くす冬夜さんを放って、部屋を出た。
「悪かったな。もっと早く止めとくべきだった」
呟く様に言ったカズヤさん。
それを私は聞こえない振りをした。
こんなに面と向かって悪意を向けられるとは思っていなかった。
.