君が見る世界、僕の見た世界









「ただいま」

「…何?今日は遅いんでしょ?」

「ギターとメイク道具取りに来ただけ」

「あっそ」


母が快く思っていないこと。

それが私の隠していること。

それは、私がLiar Loveのギター兼ボーカルのRuy<ルイ>だということ。

母は私のバンド活動を嫌悪している。


まぁ、いいや。


「っ!?」


ドアを開けようと手を伸ばすが、ドアは自然に開いた。

私の家は自動ドアなどではない。


…父だ。


「琉偉、バンドか?」

「…ん」

「……」


父は何も言わない。

今の母は私の実の母ではない。

父の再婚でできた義母。

彼女は私を毛嫌いしている。

そんな義母に対してか、私に対してなのか父は私達に何も言わなくなった。





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