君が見る世界、僕の見た世界
「琉偉!」
「あ、翔太<ショウタ>。芙巳花<フミカ>は?」
「奥にいる。メイクとかやって来いよ。」
楽屋ではSyo<ショウ>こと翔太はワックスで髪を立たせている。
「うん。あ、俊輔<シュンスケ>は?」
「芙巳花と一緒。チューニング中」
「りょーかい」
「今日、JOKERS<ジョーカーズ>も出るからな」
「MCだから知ってるー」
私達Liar LoveはSyoのドラム。
Fumi<フミ>こと芙巳花のキーボード。
Syun<シュン>こと俊輔のベース。
この4人でLiar Loveだ。
「芙巳花ー!よろしく」
「はいはい、やぁーっと来た。ピアスは自分でやりなよ?」
「はぁーい」
学校は息苦しい。
ギターを持ってみんなとわいわい騒いでるときとか、ギター下げてマイクの前に立って人を前に歌い演奏しているときが一番自分らしい。
両耳に3つずつ空けたピアス。
初めは少しヤケだった。
苛々と反抗心で空けたのをきっかけに今は7つ空いている。
耳に6つと口の右端に1つ。
「琉偉はMCもあるから、これでどう?」
芙巳花がした髪型は髪の3分の2を右側に集めて結い、アイロンで巻く。
「いいじゃん!」
「よし、メイクするよー」
マスカラは念入りに重ね終わったり、衣装に着替えたらMCの時間が迫っていた。
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