君が見る世界、僕の見た世界

｢Ruyちゃーん！｣

｢はーい！｣


会場はいつもより人が多い気がする。

滅多にないLiar LoveとJOKERSの両出演だからなのか。

JOKERSとは話によるとLiar Loveに次ぐ有名且つ人気ﾊﾞﾝﾄﾞ。

ﾎﾞｰｶﾙの零綺<ﾚｷ>がとても人気なのだ。




｢えー、次はJOKERSの皆さん。みんなー、頭振る準備は出来てるかー!!｣

｢ｲｪーｲ!!!｣

｢えっと、紹介も？みんな知ってるんじゃないの？まぁ、頼まれてるので紹介しまーす。ﾎﾞｰｶﾙの零綺さん。ﾍﾞｰｽの輝<ﾃﾙ>さん、ｷﾞﾀｰの優希<ﾕｳｷ>さん、ﾄﾞﾗﾑの梓奈<ｱｽﾞﾅ>さん。今、知らない人はいるんでしょーかねー？｣


そう言って演奏に入る予定だった。




｢えっと…？｣





その筈だった。

なのに、零綺が此方に向かって歩いてくる。

迷いもなく真っ直ぐに。

JOKERSのみんなもびっくりしている。


｢あ、あの…？零綺さん？｣

｢君さ、会ったことある？｣

｢は？｣

｢見覚えあるんだよなぁ…｣



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