君が見る世界、僕の見た世界
いや、何も隠れていたわけではないのだけれど。
零綺とは同じ学校の隣のH。
見たことくらいあるだろう。
零綺は普段からJOKERSであることを隠さず、ピアスをしたままで
音楽とかを快く思わない学校から目を付けられている。
「ひ、人違いでは?滅多に同じ日にライヴしませんし」
零綺にバレてしまったら学校にバレる!
そう思ったとき、ばしっと軽い音がした。
「ってぇ…」
「大衆の目の前でナンパしてんじゃねぇよ」
「そーそー、いくら琉偉ちゃんが可愛いからって口説いてんじゃねーよ!」
「輝、優希…」
きっと叩いたのは優希で蹴ったのは輝。
「はい、ごめんね」
優希はにこっと笑ってもう一度軽く零綺を叩いた。
私もにこっと笑って舞台を捌けた。
JOKERSの次は自分達のため、ギターを取りに向かう。
「何、口説かれてんの?」
「ずーるーいー!」
「あいつ、シメる…」
楽屋でギターのチューニングをしていると3人は口々に言った。
「口説かれてないって。バレるとこだった」
「まじで!?」
「同じ学校だしねー」
「大丈夫なのかよ?」
「なんとかなるっしょ」
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