君が見る世界、僕の見た世界
先程の音は隣の部屋だったようだ。
「どうしたんですか!?」
飛び込んできた光景は信じがたいものだった。
「零綺さん!」
床に座り込み口の端から血が出ている零綺と、JOKERSのメンバーではない人、そしてその人を押さえている輝・優希・梓奈の3人。
「ふざけんなよっ!!俺は納得してねぇ!!」
私達が居ようと、関係なしに怒鳴る男。
「俺達が選んだんだよ」
「俺より此奴のほうが巧いって言うのかよ!?そんなんだからLiar Loveに負けてんだよ!!」
「実力だけでバンドはやれねぇよ!あとな、Liar Loveはすげーんだよっ!!」
この人は馬鹿じゃないのか?
自分が殴られているくせに、赤の他人のことで何怒っているのか。
「そこまでにしませんか?ここは部外者立ち入り禁止なので」
さっさと帰らせて、零綺の頬を冷やさなければ腫れ上がってしまう。
「部外者だと?」
「部外者でしょう。恥をさらしたくなければ帰ることをお勧めしますよ」
「…零綺、これで済むと思うなよ」
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