リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『純愛』・1
落ち着いた頃、先生に手を引かれて、再びイスに座った。

「ホントはお前が高校卒業するまで、ガマンしているつもりだったんだ」

「そう…なんですか?」

「ああ、お前がオレのことを好きなのは分かっていたから、気長に待つつもりだったんだ。お前が大人になるまで」

「………はい?」

「まさか、自覚無かったのか?」

「いっいえ、ありましたけど…」

バレてたとは思いませんでした…。

「あれだけ緊張しまくるなんて、好きか苦手かのどっちかだろう?」

「確かに…」

「まっ、音楽の方も気長に待つとするさ」

先生は笑って、肩を竦めた。

「…緊張しないように、精進します。もちろん、恋愛の方も!」

わたしも笑顔で答えた。

だけど…まだ体が緊張している。

本当に延長戦になりそうだ。
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