リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『純愛』・1
「あっあぅあぅ…」
血の気が引いていく。
先生は深く息を吐くと、扉に向かって行った。
「―少し、休憩しよう」
「はっはい…」
バタンと扉が閉まる音が、重く聞こえた。
イスに寄り掛かり、わたしは天を仰いだ。
…今の先生に変わってからというもの、わたしの演奏はとんでもないものに変わってしまった。
あの先生の前では、指が言うことを聞いてくれない。
まるで壊れたオルゴールのような曲ばかりが、わたしの指先から生まれるのだ。
…あの先生とは、昔からの顔馴染み。
カッコ良くて、面倒見が良くて、子供好きな人だ。
正直言えば、初恋の人。
わたしがここへ来たばかりの頃、先生はまだ高校生だった。
血の気が引いていく。
先生は深く息を吐くと、扉に向かって行った。
「―少し、休憩しよう」
「はっはい…」
バタンと扉が閉まる音が、重く聞こえた。
イスに寄り掛かり、わたしは天を仰いだ。
…今の先生に変わってからというもの、わたしの演奏はとんでもないものに変わってしまった。
あの先生の前では、指が言うことを聞いてくれない。
まるで壊れたオルゴールのような曲ばかりが、わたしの指先から生まれるのだ。
…あの先生とは、昔からの顔馴染み。
カッコ良くて、面倒見が良くて、子供好きな人だ。
正直言えば、初恋の人。
わたしがここへ来たばかりの頃、先生はまだ高校生だった。