君と私の1年間
■冬
冬、入院、雪
ふと、外を見た。
ちらちらと雪が降っていた。
白い、白い
全てを真っ白に染めてしまう、雪。
思わず綺麗、と呟きそうになる。
急に雅、と私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
現実に一気に引き戻される感覚・・・嫌いだ。
「何でしょう、母様」
もう慣れた造り笑い。
その笑顔の裏に気づいているのかいないのか、私の母は続けた。
「話を聴いていたのかしら・・・、今日から長期検査を行うからすぐに入院よ」
溜息交じりに、イラつきを隠せない口調で私に言う。
はい、と行儀よく返事をすると母は
これから大事な会議があるから、荷物とかは夜家政婦に持ってこさせる、とだけ言って足早に診察室を出て行った。