世界に1人の
8月の半ば、いつも通り手紙のやり取りをしていた。




もうすぐ誕生日のアヤナ。



手紙を利用して、おめでとうって言ってほしい……




【23日あたし誕生日!!】


と書いて、コウキに渡す。



すると……





【ふ〜んだから】






………ひど。



そこでその日の塾は終わった。




書いてある内容を見て、コウキを見上げる。




コウキは

「ざまーみろ」

とでも言いたそうな、
いたずらな笑顔でアヤナを見る。






でも、誕生日を知ってもらえただけで充分だった。





23日になったときに、


あ、今日あいつ誕生日だ


と思ってくれるだけで嬉しいと思った。
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