天使はワガママに決まってる
今日、期末テストの結果が返ってきた。
それに伴い、最後の進路決定相談会。
まだ三者懇談ではないけれど、ほぼここで進むべき進路……
そして諦めなければならない現実をしらしめられる。
私の結果は、散々だった。
『無理だ。』
きっぱりと、淡々と
私はどん底に突き落とされたのだ。
例えは大袈裟かもしれないが、本当にそんな気分だった。
『…お前ももう、18才だろう?
夢ばかり見ていられる年齢じゃないんだ。』
担任は、現実を見据えた”大人”の目で
”子供”の私の夢を覚まそうとする。
まだ見ていたかった夢は、ここで途絶えてしまった。
『写真家というのはな?そんな生易しい世界ではないんだ。
本当になれるのは一握りの人間だけなんだよ。』
まるで、私がその一握りでは絶対にないような口調。
――確かに私は特に学校でも目立つ存在ではなかった。
何もかも普通。運動も、勉強も
人間関係だって何だってそつなくこなし、
無駄に人よりは頭がいい。
でも、天才と呼ばれるほどではないし
呼ばれるような他の才能もない。
ただ、カメラと写真を愛していただけだった。