天使はワガママに決まってる
グッ、と強く目を拭い
私は今の精一杯の笑みを浮かべる。
答えなんてそんなの、
決まってるよ――…
「…はい……っ!」
今度は、さっきよりも近い距離で
帰り道を歩いていく。
繋がれた手から感じる体温が、
とても温かくて。
「もう遅いし…、送ってくよ。」
また顔を赤らめて、頭に手をやる。
どうやら、頭を掻くのは
彼の照れくさいときの癖のようで。
私はまた嬉しくなって、うん、と
笑って頷いた。
ずっと私が彼を見ていたように、
彼も私を見てくれていた。
なのに、それに気づかなかったのは
きっといつもの青空が眩しすぎただけだね。
太陽に彼の笑顔が反射して
見えなかったんだ。
私はきっと今もこれからも日陰だから、
どうか私を幸せで照らしてね……
「やっぱり、日和ちゃんは
笑ってると陽だまりみたいだ。」
「へ?!」
end.