天使はワガママに決まってる
機材を手に取ったそれからの私は
自分でも怖いほど無心で手を動かした。
日付が変わっても、
その手が休まることはなくて
ただただ、この孤独を癒せるのなら
この身が朽ちても構わないと思うほどに――
キュルルル…
窓から徐々に差し込んでくる朝日。
それが今手に持っている
最後の部品である螺子にキラキラと反射して、
まるで螺子が輝いているように見えた。
グッとしっかりと
最後の部品を締めたことを確認し
早速、腰付近から伸びる充電コードを
コンセントに差し込む。
「でき……た。」
私のその感嘆の言葉と共に、開かれる双眼。
私はゴクリ、と喉を鳴らした。
ウイィィン……
造ったロボットは同い年くらいの少年。
自分と同じ色を持つ髪と瞳。
ロボットとしての継ぎ目や、
螺子部分は服を着ているため全く見えないし
これなら絶対誰もロボットだと
疑わないほどの、完璧な外見だ。
「……だぁれ?」
キョトンとした表情が、目の前の私を見据える。
透き通るように響く、久しぶりに聞いた
他人の自分への言葉に、少しだけ懐かしさを感じながら
私はその純粋無垢な瞳を見つめ返した。